インビザラインとワイヤー矯正を徹底比較!どっちの方が綺麗に仕上がる?
歯科矯正を検討する際にインビザラインとワイヤー矯正、どちらで歯科矯正すればいいか悩むところです。見た目が気にならないインビザラインを選択するのか、多くの症例があるワイヤー矯正を選択するのか悩んでしまいます。
インビザラインで歯科矯正したいと思って歯科医院を尋ねても、適応症例が限られているためワイヤー矯正でしか矯正治療できないという場合もあるようです。
本記事では、インビザラインとワイヤー矯正のメリット・デメリットや特徴を紹介していきます。歯科矯正をご検討中の方は、ぜひご参考ください。
目次
インビザラインとワイヤー矯正どっちがいいのか?
費用や期間、メリデメを比較表で説明
インビザラインとワイヤー矯正の矯正費用や矯正期間、メリット・デメリットを比較表にまとめました。
関連記事:インビザライン矯正とワイヤー矯正どっちを選ぶべき?
項目 | インビザライン | ワイヤー矯正(メタル装置) |
矯正費用 | 880,000円(税込) | 693,000円(税込)+
矯正再診料 5,500円(税込)/回 |
矯正期間 | 1年半~3年 | 2年~3年 |
通院回数 | 2か月に1回 | 1か月に1回 |
メリット | ・透明で目立たない
・自分で矯正装置の着脱ができる ・痛みが少ない |
・症例数が豊富で実績が圧倒的に多い
・幅広い症例に適応される ・細部にわたる微調整が可能 ・自己管理が不要 |
デメリット | ・自己管理が必要
・適応症例が限られる ・マウスピース装着時は、飲食ができない |
・矯正装置が目立つ
・食事、歯磨きがしにくい ・痛みが出やすい ・虫歯や歯周病のリスクが高い |
インビザラインとは?
インビザライン(インビザライン・システム)とは、米国アライン・テクノロジー社(Align Technology, Inc.)が開発したマウスピース型矯正装置のことです。これまでに、世界で1500万人を超える患者様がインビザラインによる治療を受けています。
インビザラインのマウスピース型矯正装置は、「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しています。これは、歯列矯正装置として初受賞となります。
また、歯の表面にアタッチメントと呼ばれる半透明〜白色をした米粒大の突起をつけることで、マウスピースのズレや浮き上がりを防止し、歯根の部分まで力を加えることができ、歯を出したり、回転させたり、傾けたりできるようになりました。
インビザラインのようにマウスピースを用いた矯正歯科治療で利用されているのが、上場企業では、デンツプライシロナの「シュアスマイル」、エンジェルアライン・テクノロジーの「エンジェルアライナー」があります。
インビザラインのメリット
インビザラインには、ワイヤー矯正にはないさまざまなメリットがあります。
【透明で目立たない】
着脱ができる透明なマウスピース型の矯正装置で、付けていることはほとんどわかりません。従来からあるワイヤー矯正のように歯科矯正中と分かって、食事のときに食べかすが詰まるといったことがありません。見た目を気にすることなく、歯並びを整えることができます。
【自分で矯正装置の着脱ができる】
矯正中で最も気になる日常生活といえば、食事と歯磨きの時間ではないでしょうか。
インビザラインでは、食事と歯磨きの際はマウスピースを外します。矯正中は、硬い食べ物を食べると歯に痛みが生じやすいので、何でも食べられるというわけにはいきませんが、ワイヤー矯正と比べると、食事制限は非常に少なくなります。
マウスピースも丸洗いすることができ、10日〜2週間ごとに新しいものに交換するので非常に衛生的です。
【痛みが少ない】
矯正中の痛みの原因は2つあります。
1つは、歯が移動する際の痛みです。
インビザラインでは、マウスピースの復元力を利用して、弱い力で少しずつ歯を動かしていきます。そのため、歯にかかる負担が小さく、痛みがでにくくなります。
もう1つは、装置がお口の中を傷つけてしまうことによる痛みです。
インビザラインの場合は、全体的に丸みを帯びた構造で、歯肉に被ることもないので、痛みが出にくくなります。また、マウスピースの厚みもわずか0.5㎜なので、装着時の違和感も少ないです。
インビザラインのデメリット
インビザラインはご自身で取り外し可能ですがデメリットもあります。
【自己管理が必要】
矯正装置の着脱が出来るので紛失などには注意が必要です。
また、10日〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換するのも、自己管理となります。装置をつけ忘れてしまうと、計画通りに治療が進まない恐れがあります。スケジュール管理も必要となります。
自由に着脱できますが、1日20時間以上は装着する必要があります。
【適応症例が限られる】
インビザラインでは、適応症例を見極めることが重要です。
以前はごく軽度の歯列不正にしか適応されませんでしたが、アタッチメントを付与することによって、歯の傾きを調節するだけでなく、歯根からの歯の移動やひねりを加えて力をかけるといった、複雑な矯正も可能になってきました。そのため、インビザラインで治療できる症例が非常に幅広くなりましたが、適応症例が限られるのも事実です。
【マウスピース装着時は、飲食ができない】
マウスピースを装着している時に口にして良いものは、冷〜常温の水のみです。食べ物を食べる時は、ほんの少しであってもマウスピースを外さなければいけません。食後は歯磨きおよびマウスピースの洗浄が必要になります。
ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる矯正装置を歯面に装着し、間に通したワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して歯を動かす矯正法です。従来からある矯正治療方法です。
ワイヤー矯正のメリット
ワイヤー矯正の主なメリットは、さまざまな症例実績からくる適応の広さにあります。
【症例数が豊富で実績が圧倒的に多い】
ワイヤー矯正は1700年ごろから始まり、100年以上の歴史を誇ります。そのため、症例数も多く、多数の実績がある矯正法です。
どのような症例では、どのような治療を行うと良いのか、さまざまな方法が調べつくされています。
【幅広い症例に適応される】
多数の実績を誇るワイヤー矯正は適応症例が幅広く、重度の歯列不正で歯を動かす距離が長い症例などでも対応できます。
例えば、歯肉の中に埋まっている歯を口腔内に引き出してくることが出来るのも、ワイヤー矯正ならではの特徴です。
【細部にわたる微調整が可能】
ワイヤー矯正は、歯の向きや傾きを細かく調整することができ、全体の進行状況を確認しながら細かく歯並びを調整していくことができます。歯の大きな移動や細かい微調整も可能な治療法です。
【自己管理が不要】
ご自身で装置の着脱が出来ないため自己管理が必要ありません。1か月に1度の通院を守れば、歯はどんどん動いていってくれます。
マウスピースを外すと装着を忘れてしまう方や、子供には、自己管理の必要のないワイヤー矯正のほうが適しています。
ワイヤー矯正のデメリット
ワイヤー矯正には、矯正装置が目立つため見た目が悪いといった審美面や、口腔ケアのしづらさなどのデメリットがあります。
【矯正装置が目立つ】
ワイヤー矯正では、歯に固定式の装置を装着するため、どうしても見た目が悪くなってしまいます。見た目が気になる場合は、審美ブラケットという透明や白色のブラケットなどを選択するということも可能です。また、歯の裏側に装置をつける舌側矯正(ハーフリンガル)という方法もありますが、どちらも通常の装置と比較すると治療費が高くなります。
【食事、歯磨きがしにくい】
ワイヤー矯正中は、どうしても食事制限があります。
繊維質の多い野菜などは装置に絡まってしまいがちなので、細かく切っておくなどの対策が必要です。粘着質の高いチーズやキャラメル、ガムなどは装置と歯の隙間に入り込んでしまうと取り除くのが大変なので、控えるようにします。
また、矯正装置が入ったまま歯磨きを行う必要があるため、装置と歯の間に汚れが残らないように時間をかけて丁寧に歯磨きを行う必要があります。
【痛みが出やすい】
特にワイヤーの調整を行った直後は、痛みを感じやすくなります。
多くの方が調整後2、3日目に最も痛みを強く感じ、その後1週間もすれば慣れてきます。また、矯正装置がお口の中に当たって、痛みを感じる場合も多くあります。
【虫歯や歯周病のリスクが高い】
歯磨きがしにくいことにより、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
インビザラインとワイヤー矯正の違い
次に、インビザラインとワイヤー矯正の主な違いを紹介していきます。
関連記事:インビザライン矯正とワイヤー矯正どっちを選ぶべき?
矯正期間
ワイヤー矯正は通常2〜3年、インビザライン矯正は平均して1年半から3年程度かかります。同程度の歯並びの症状ならワイヤー矯正で歯を移動させる力はインビザラインより強いため、ワイヤー矯正の方が短期間で治療が終わります。
矯正中の見た目
インビザラインは、矯正に透明なマウスピースを使うので目立ちません。
ワイヤー矯正は、歯の1つ1つにブラケットと呼ばれる装置を装着しワイヤーを通すため、周りにいる人の目からもはっきり分かり目立ちます。
痛みや不快感の違い
矯正中に感じる痛みや不快感は、インビザラインの方が少ないです。
矯正中の歯を移動させる速さやそれに伴う力加減により、痛みを感じる度合いには差が出ます。インビザラインはマウスピース1枚で0.25mmほど歯をゆっくりと動かします。マウスピースを約10日〜2週間に1度交換しながら、2か月で歯を約1mmずつ移動させるのでワイヤー矯正に比べて痛みの度合いは低くなります。
またインビザラインのマウスピースは薄さがわずか0.5mmです。薄くて表面も滑らかなので不快感もあまりありません。
一方ワイヤー矯正は、1か月に最大1mmほど歯を動かすことが可能です。ワイヤー矯正の方が早く歯を動かせますが、その分痛みがでやすいです。さらにワイヤー矯正は装置を常時着ける必要があり、口の中に装置が当たると不快感を持つ場合もあります。
費用
インビザラインとワイヤー矯正の費用は以下となります。
インビザラインの矯正治療の費用(例) | |
インビザライン | 880,000円(税込) |
インビザライン(ライト) | 495,000円(税込) |
インビザラインGo
(マウスピース型部分矯正) |
429,000円(税込) |
ワイヤー矯正治療の費用(例) | |
メタル装置 | 693,000円(税込)+矯正再診料 5,500円(税込)/回 |
クリア装置 | 748,000円(税込)+矯正再診料 5,500円(税込)/回 |
審美装置 | 858,000円(税込)+矯正再診料 5,500円(税込)/回 |
ハーフリンガル | 1,023,000円(税込)+矯正再診料 5,500円(税込)/回 |
※矯正再診料(毎月の来院)例)治療2年の場合:5,500円×24=132,000円(税込)
矯正可能な症状
インビザラインよりもワイヤー矯正の方が、さまざまな症状を矯正可能です。ワイヤー矯正は古くから用いられてきた矯正方法なので、多くの症例の治療実績があります。
インビザラインは新しい矯正法なので、適応範囲が狭いです。
以下のような顎や歯に重度の問題がある場合、インビザラインだけでは矯正できないことがあります。歯科医師とよく相談してください。
- ・すでにインプラントをしている
- ・虫歯や歯周病など口内状態がとても悪い
- ・噛む力が強すぎる
- ・歯を何本も抜歯していたり歯並びが極端に悪い
- ・マウスピースで覆えない埋状歯がある
- ・出っ歯や受け口の場合で骨格的に上下顎の大きなずれがある
- ・抜歯を伴う前歯が内側にずれるリスクがある
通院頻度
矯正期間中の通院頻度は、インビザラインの方がワイヤー矯正よりも少ないです。
インビザライン矯正では、1か月半〜2か月ごとに通院して歯の動きを確認し調整します。新しいマウスピースへの交換は、来院する必要はありません。
ワイヤー矯正の場合は、1か月に一度は必ず通院しワイヤーの調節をしてもらわなければなりません。
食事や歯磨きについて
インビザラインは飲食や歯磨きの際に取り外し、普通に飲食や歯磨きができます。
一方ワイヤー矯正は、インビザラインと異なり自分で矯正装置を外せないため、歯に着いているワイヤーやブラケットが外れないように、丁寧に歯磨きすることが必要になります。
食事の際には、装置の外れを防ぐため以下の点に注意する必要があります。
- ・粘着性が高いガムやキャラメルなどは避ける
- ・歯に挟まりやすい食べ物は細かくしてから食べる
- ・噛み切りにくい食べ物は最初から小さくして食べる
- ・歯に着いているワイヤーやブラケットが外れないように丁寧に歯磨きをする
食事や歯磨きは、ワイヤー矯正よりもインビザラインの方が便利です。
虫歯・歯周病リスク
インビザラインよりもワイヤー矯正の方が、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
インビザラインの場合、マウスピースを取り外して歯磨きするため矯正装置の邪魔がなくきれいに磨け、虫歯や歯周病のリスクを低く抑えられます。
ワイヤー矯正は、どうしても矯正装置の周りに汚れや食べかすが溜まりやすくなります。丁寧に歯磨きしないと、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
自己管理の必要性
インビザラインは自分でマウスピースを交換するため自己管理が必要です。
ワイヤー矯正は自分でワイヤーを替えることがないため自己管理は不要です。
仕上がりの良さ(綺麗さ)
インビザラインとワイヤー矯正という方法の違いによって、仕上がりに違いがでることはありません。
ここで重要なのは、治療方針を決定する前の診査の際に、どこまで歯並びを治すかを担当医師としっかりと話し合い共有することが大事になります。
お口の中の状態によってはインビザラインとワイヤー矯正、どちらを選択されても良い場合もありますが、「インビザラインならここまで治療可能」「ワイヤー矯正ならばここまで治療可能」と、治療方法によって最終的な歯並びに違いがでてくることもあります。
どこまで歯並びを治すか、事前に担当医師としっかり共有しておくことが大切です。
後戻りのしにくさ
矯正治療終了後、リテーナー(保定装置)を装着しないとほぼ100%「後戻り」が生じます。どのくらい後戻りが起こるかは症例によって異なり個人差が大きいですが、矯正後の後戻りは避けられません。
後戻りはインビザラインとワイヤー矯正という矯正方法にかかわらず起こります。歯の移動量が多い場合は特に、後戻りが起きやすくなります。
インビザラインが向いている人
インビザラインが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- ・矯正装置が目立つことを避けたい
- ・痛みに弱い
- ・歯科医院に頻繁に通うことが難しい
- ・自己管理ができる
- ・インビザラインが適応可能な症例である
インビザラインはほとんど目立たず、痛みも少ないことがメリットです。「矯正していることを知られたくない」などの理由で、矯正に踏み切れなかった人も治療できます。
仕事や家事が忙しく、歯科医院に頻繁に通えない人も、負担にならずに通院できるでしょう。
しかし、1日20時間以上マウスピースを正しく装着する必要があるため、自己管理ができる人でなければ続きません。また、インビザライン治療を希望しても、適応できない可能性があります。
関連記事:インビザラインも医療控除の適用対象?いくら還付される?
ワイヤー矯正が向いている人
ワイヤー矯正が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- ・歯並びの乱れが重度である
- ・治療を早く終了したい
- ・見た目はあまり気にならない
- ・自己管理できる自信がない
- ・口腔ケアをきちんとできる
歯並びの乱れが重度の場合、インビザラインでは治療できないことがあります。また、同じ症例で比べると、ワイヤー矯正のほうが治療期間が短い場合が多いです。そのため、早く治療を終了したい人にはワイヤー矯正が向いています。
歯にブラケットを装着しても気にならない人は、ワイヤー矯正が適しています。
関連記事:歯列矯正の費用相場を詳細に解説!
インビザラインとワイヤー矯正で迷ったら
インビザラインもワイヤー矯正も、効果的な矯正治療方法です。どちらにもメリット・デメリットがあります。
ご自身の生活スタイルや口腔内の状況を考えて、歯科医師と相談し自分に適した治療方法を決めましょう。歯並びの状況によっては適した治療方法が変わる場合があります。歯科医師の意見も参考にしながら検討しましょう。
どちらの治療法を選ぶ場合でも、しっかりと説明を聞いてメリット・デメリットを理解することが重要です。
矯正治療は高額な費用がかかり、治療期間も長いため、納得したうえで治療を開始しましょう。
すぐに決定するのではなく、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、予想される治療方針、治療期間、金額などを確認してください。
初回カウンセリング無料の船堀の矯正歯科なら船堀の矯正歯科・船堀ガーデン歯科 矯正歯科でカウンセリングを受けられてみてはどうでしょうか。お気軽にご相談ください。
この記事を監修した人
船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】