矯正中に下唇を噛むようになったのはなぜ?考えられる原因と対処法を解説
「気づくといつも下唇を噛んでいる」「矯正を始めたのに、この癖のせいで治療がうまくいくか不安」――そのお悩み、実は多くの方が抱えています。
下唇を噛む癖(口唇癖)は、放置すると歯並びや咬み合わせに影響を与えることがあります。ただし、癖の原因を正しく理解し、適切にアプローチすることで改善が期待できます。矯正治療と並行して対処することが大切で、特に成長期のお子さんであれば早めに専門家へ相談することが歯並びへの影響を小さくするポイントです。
- ✅ 下唇を噛む癖がなぜ歯並びに影響するのか
- ✅ 矯正治療中に癖があると何が起きるか
- ✅ 癖を改善するための具体的な方法と流れ
目次
下唇を噛む癖(口唇癖)とは?意外と多い「無意識の習慣」
ほとんどの方が「無意識」に行っている
下唇を噛む癖は、医学的に「口唇癖(こうしんへき)」と呼ばれます。緊張しているとき、集中しているとき、あるいはぼんやりしているときに無意識に下唇を上の前歯で噛んでしまう――こうした経験は、子どもから大人まで幅広い年代で見られます。
特に多いのが、学校の授業中やパソコン作業中、スマートフォンを見ているときなど、意識が別のところに向いているタイミングです。本人は気づいていないことも多く、ご家族や学校の先生から指摘されてはじめて気づくケースも珍しくありません。
子どもだけでなく大人にも見られる癖
「子どもの頃の癖」というイメージを持つ方も多いですが、実際には成人してからも続くケースが多くあります。幼少期に始まった癖がそのまま習慣として定着してしまったり、ストレスや不安が増えたことで大人になってから強まったりすることもあります。
また、矯正治療を始めた患者さんから「治療を始めてから下唇を噛む癖に気づいた」というお声をいただくこともあります。矯正装置によって口の中の感覚が変わることで、無意識の動作がより意識しやすくなるためです。
癖が続くと歯やお口にどんな影響が出る?
下唇を噛む行為が習慣化すると、唇の粘膜が荒れたり、赤くなったりするだけでなく、歯並びや咬み合わせにも影響が及ぶことがあります。次のセクションで、そのメカニズムをくわしく見ていきましょう。
下唇を噛む癖が歯並びに影響するメカニズム
下唇を上の前歯で噛むとき、上の前歯は前方に向けて力を受け続けます。歯は継続的な力によって動く性質を持っているため、この習慣が長期間続くと上の前歯が外側へ傾いていく可能性があります。いわゆる「出っ歯(上顎前突)」の一因として、口唇癖が関係していることがあります。
下唇を噛むとき、下の前歯には内側(舌側)に向かう力が加わります。その結果、下の前歯が内側に傾き、歯列全体が狭まってしまうことがあります。上下の前歯の角度がずれると、咬み合わせのバランスが崩れる要因にもなります。
子どもの顎の骨や歯は成長の途中にあり、外力の影響を受けやすい時期です。口唇癖が小学校低学年頃から続いている場合、顎の発育にまで影響が出ることもあります。個人差はありますが、早い段階で気づいて対処することが大切です。乳歯列期から混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)にかけては特に注意が必要です。
「矯正すれば治る」は誤解かもしれない
よくある誤解のひとつが、「矯正治療をすれば癖の影響も自動的に解消される」という考え方です。しかし実際には、癖そのものが続いている限り、歯が元の位置に戻りやすくなる(後戻り)リスクが高まります。矯正治療と癖の改善は、セットで取り組む必要があると考えてください。

矯正治療中に下唇を噛む癖があるとどうなる?
治療の効果が出にくくなる可能性がある
矯正治療では、ワイヤーやマウスピースを使って計画的に歯を動かしていきます。しかし、その力と反対方向の力が唇の癖によって継続的に加わっていると、治療計画どおりに歯が動きにくくなることがあります。治療期間が延びたり、思うような歯並びに近づくのに時間がかかったりすることもあります(個人差があります)。
保定期間中の後戻りにも影響する
矯正治療が終わったあとは「保定期間」に入り、リテーナーと呼ばれる装置を使って歯が動かないように安定させます。この時期にも口唇癖が残っていると、歯が治療前の位置に戻ろうとする力が働きやすくなります。せっかく整えた歯並びを長くキープするためにも、癖の改善は矯正治療の一部として捉えることが重要です。
マウスピース矯正(インビザライン)装着中の注意点
マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)を使っている場合、下唇を噛む癖があるとマウスピースの縁に繰り返し力が加わり、装置が変形したり浮いたりする原因になることがあります。また、装着時間を守っていても癖による外力が治療の妨げになる場合があります。気になることがあれば、担当の歯科医師に遠慮なく相談するようにしましょう。
⚠ こんな状態が続く場合は早めにご相談ください
- 下唇の粘膜が常に荒れている・白くなっている
- 上の前歯が以前より前に出てきた気がする
- 矯正治療中だが、担当医から「歯の動きが遅い」と言われた
- 子どもが頻繁に唇を噛んでいるのに気づいた
- 保定期間に入ってから歯並びが少し変わってきた気がする
下唇を噛む癖を改善するための具体的な方法
まずは「癖に気づく」ことから始める
習癖改善の第一歩は、自分がどんなときに下唇を噛んでいるかを意識することです。たとえば、スマートフォンを見るとき・勉強中・仕事中など、特定の状況でのみ癖が出る方も多くいます。付箋やスマートフォンのアラームを使って「今、噛んでいないか?」と気づく機会を増やすことが、行動変容のスタートになります。
口まわりの筋肉を整えるトレーニング
口唇癖には、唇まわりの筋肉のバランスが関係していることがあります。「口腔筋機能療法(MFT:Myofunctional Therapy)」と呼ばれるトレーニングは、舌・唇・頬などの筋肉を正しく使えるように整えるためのエクササイズです。矯正歯科では、治療と並行してこうしたトレーニングを取り入れることがあります。
具体的なトレーニング内容は個人の状態によって異なりますので、担当の歯科医師や歯科衛生士に相談して正しい方法を教えてもらうことが大切です。自己流でやりすぎると逆効果になることもあります。
子どもの場合は「叱る」より「環境を整える」
お子さんの下唇を噛む癖が気になる親御さんへ。癖を指摘して叱ると、かえってストレスで癖が強まることがあります。まずは「いつ・どんなときに出やすいか」を観察し、原因と思われるストレスや不安がないかを確認してみましょう。また、鼻づまりなど口呼吸につながる要因がある場合は、耳鼻科や小児歯科への相談も検討してみてください。
✅ 早期に対処するメリット
- 歯並びへの影響を最小限に抑えやすい
- 矯正治療の効果が出やすくなることが期待できる
- 成長期のお子さんは顎の発育を妨げにくくなる
- 後戻りのリスクを下げやすくなる
⚠ 放置した場合のリスク
- 出っ歯・叢生など歯並びの乱れが進むことがある
- 矯正治療の効果が出にくくなる可能性がある
- 保定期間中に後戻りが起きやすくなる
- 唇の粘膜に慢性的な炎症が続くことがある
矯正治療と癖改善を同時に進めるために知っておきたいこと
「なぜ癖が出るのか」の根本を探ることが大切
下唇を噛む癖が続く背景には、いくつかの要因が重なっていることがあります。たとえば、咬み合わせ自体がすでにずれていて、自然に唇が挟まりやすい歯並びになっているケース。あるいは、精神的なストレスや緊張が体の癖として出ているケースなど様々です。
原因が歯並びにある場合は、矯正治療そのものが癖の改善につながることもあります。一方で、心理的な要因が強い場合は、生活習慣の見直しや環境整備が必要になることもあります。どちらが先かを判断するためにも、まず歯科医師に診てもらうことがスタートラインです。
矯正の種類と癖の関係
ワイヤー矯正とマウスピース矯正では、口唇癖の影響の受け方が若干異なります。ワイヤー矯正の場合は装置が固定されているため、癖による直接的な装置へのダメージは少ない一方、歯に加わる力への影響は避けられません。マウスピース矯正の場合は前述のとおり、装置そのものへの影響も考えられます。どちらの場合も、担当の矯正医に癖があることを正直に伝えることが重要です。
小児矯正では癖のチェックも治療の一部
お子さんの矯正治療においては、歯並びの改善だけでなく、口腔習癖のチェックと指導も治療の重要な要素です。口唇癖・指しゃぶり・舌突出癖などがないかを確認し、必要に応じてアドバイスを行うことが、長期的に安定した歯並びを目指すうえで欠かせません。早ければ小学校低学年のうちから相談できます。

船堀ガーデン歯科 矯正歯科のご相談体制について
- 🦷 矯正歯科専門医が常勤/インビザラインゴールドプロバイダー認定医によるマウスピース矯正
- 🏥 一般歯科・口腔外科医も常勤の院内完結型/矯正と他の治療を並行して進められる体制
- 📷 歯科用CT・3Dシミュレーション完備/お口の状態を精密に把握したうえで治療計画を立案
- 👶 キッズスペースあり・小児矯正にも対応/お子さんの癖や歯並びのご相談もお気軽に
- 📅 矯正カウンセリング・精密検査・診断は無料/まずは気軽にご相談いただける環境を整えています
江戸川区船堀にお住まいの方、または都営新宿線沿線からお越しの方は、ぜひ一度ご相談ください。矯正カウンセリング・精密検査・診断はすべて無料です。平日は受付18:30まで対応しており、土曜診療も行っております。
よくあるご質問(FAQ)
📝 この記事のまとめ
- ✅ 下唇を噛む癖(口唇癖)は上の前歯を前方に、下の前歯を内側に傾ける力を加え、歯並びや咬み合わせに影響することがある
- ✅ 矯正治療中に癖が続くと、歯の動きが遅くなったり後戻りのリスクが高まったりすることがある(個人差あり)
- ✅ 「矯正すれば自動的に治る」は誤解。癖の改善と矯正治療はセットで取り組むことが大切
- ✅ 成長期のお子さんは特に早めに歯科医師へ相談することで、歯並びへの影響を小さくしやすい
- ✅ まずはカウンセリングで「自分のケースはどうなのか」を専門家に診てもらうことが最初の一歩
下唇を噛む癖や歯並びのこと、まずは無料カウンセリングでご相談を
東京都江戸川区船堀の「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」では、矯正カウンセリング・精密検査・診断をすべて無料で行っています。都営新宿線「船堀駅」南口から徒歩4分。平日は受付18:30まで、土曜診療もあり。お子さんのご相談も歓迎です。
この記事を監修した人

船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】












私が船堀でクリニックを開院したのは2020年5月のことです。この地を訪れたとき、荒川の川幅の広さに驚き、それが人々の力を結集して造られた人工の放水路であることを知り、深く感銘を受けました。個人の力ではどうにもならないことも、人と人が力を合わせれば乗り越えられる――そう信じています。
矯正治療も同じです。患者さんお一人おひとりのお口の悩みに、私たちスタッフ全員で向き合います。下唇を噛む癖のことも含めて、「こんなことを相談してもいいのかな」と思わず、どうぞ気軽にお話しください。5年後、10年後に「相談してよかった」と感じていただける診療を目指しています。