マウスピース矯正の痛みはいつまで続く?装着初期の違和感と対処法を徹底解説
目次
マウスピース矯正を始める前に知っておきたい「痛み」の真実

「マウスピース矯正って、本当に痛くないの?」
これから矯正治療を検討されている方にとって、痛みの問題は非常に気になるポイントです。透明で目立たないマウスピース矯正は、近年多くの方に選ばれている治療法ですが、装着時の違和感や痛みについては、事前にしっかりと理解しておく必要があります。
結論から申し上げますと、マウスピース矯正では多少の痛みや違和感を感じることがあります。しかし、ワイヤー矯正と比較すると、その痛みは約3分の1程度とされており、多くの方が日常生活に支障をきたすことなく治療を継続できています。
本記事では、矯正歯科医の視点から、マウスピース矯正に伴う痛みの実態、持続期間、そして快適に治療を進めるための対処法について詳しく解説します。
マウスピース矯正で痛みが生じる3つの主な原因
マウスピース矯正における痛みは、決してネガティブなものではありません。むしろ、歯が計画通りに動いている証拠ともいえます。痛みが生じる原因を理解することで、不安を軽減し、適切に対処することができます。
歯が移動する際の生理的な反応
マウスピース矯正の痛みの主な原因は、歯に持続的な圧力がかかることで生じる歯根膜の反応です。歯根膜とは、歯の根っこと顎の骨をつなぐ薄い膜のことで、この部分が圧迫されることで違和感や痛みを感じます。
マウスピースは1枚あたり最大0.25mm程度歯を動かす設計になっており、新しいマウスピースに交換した直後は、現在の歯並びとマウスピースの形状にわずかなギャップが生じます。このギャップを埋めようとする過程で、歯根膜が伸び縮みし、痛みとして感じられるのです。
マウスピースの物理的な刺激による違和感
マウスピースの縁が歯茎や頬の粘膜に当たることで、チクチクとした痛みや違和感を覚えることがあります。特に装着初期は、口腔内がマウスピースの存在に慣れていないため、舌や頬の動きによって擦れやすくなります。
また、マウスピース矯正では「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を歯の表面に取り付けることがあります。このアタッチメントが唇の裏側や頬に触れることで、一時的な違和感を感じる方もいらっしゃいます。
口腔内環境の変化に伴う適応期間
マウスピースを装着することで、唾液の流れや口の中の感覚が普段と異なるため、気持ち悪さや違和感を覚えることがあります。特に装着初期は、舌や頬の粘膜がマウスピースに接触することで、普段とは異なる感覚が生じやすくなります。
この違和感は、口腔内がマウスピースの存在に適応していく過程で生じる正常な反応です。多くの場合、数日から1週間程度で慣れていきます。
痛みのピークはいつ?持続期間の目安を知る
マウスピース矯正における痛みには、明確なパターンがあります。痛みの経過を理解しておくことで、心の準備ができ、不安を軽減することができます。
装着直後から24時間以内が最も強い痛み
新しいマウスピースを装着してから最初の数時間から24時間程度が、痛みのピークタイムとなります。この時期は、歯に矯正力が最も強くかかるため、圧迫されるような鈍い痛みや、歯が浮いたような感覚を覚える方が多いです。
痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方が「噛むと少し痛い」「歯全体が押されているような感じ」と表現されます。日常生活に支障をきたすほどの激しい痛みになることは稀で、ほとんどの場合は我慢できる程度の違和感です。
2〜3日目で痛みは徐々に軽減
装着から2日目以降になると、初日のピークを越えて痛みは徐々に和らぎ始めます。ヒリヒリとした敏感な痛みから、鈍痛へと変化していくのが一般的です。
この時期には「歯が浮いたような違和感」が残ることもありますが、痛み自体はピーク時よりもかなり弱まります。食事の際に硬いものを噛むと違和感を覚えることがありますが、柔らかい食べ物を中心にすることで快適に過ごせます。
4日目以降は違和感レベルまで減少
装着から4日目以降になると、痛みはかなり治まり、ほぼ違和感程度になります。歯の動きにも口腔内が慣れてくるため、「噛む時に少し圧迫感がある」「装置を入れている違和感がある」程度で、日常生活に支障をきたすような痛みはほぼなくなります。
マウスピース矯正は弱い力を継続的にかけて歯を動かすため、ワイヤー矯正に比べて痛みや神経への刺激が抑えられています。1週間程度で装着前の状態まで落ち着くことが多いです。
マウスピース交換時のサイクル
マウスピースは通常1〜2週間ごとに新しいものに交換します。交換のたびに、上記のような痛みのサイクルが繰り返されますが、治療が進むにつれて痛みの程度は軽減していく傾向があります。
交換直後の1〜2日間は締め付け感や圧迫感を感じやすいですが、3〜4日目には徐々に慣れ、違和感が減少していきます。このサイクルを理解しておくことで、心理的な負担を軽減できます。
痛みを和らげる7つの実践的な対処法
マウスピース矯正の痛みは避けられないものですが、適切な対処法を実践することで、快適に治療を継続することができます。ここでは、臨床現場で効果が確認されている具体的な方法をご紹介します。
装着時間とスケジュールを守る
マウスピースは1日20時間以上の装着が推奨されています。装着時間が不足すると、歯の動きが計画通りに進まず、次のマウスピースに交換した際に強い痛みを感じる可能性が高くなります。
また、決められた交換スケジュールを守ることも重要です。段階を飛ばして装着したり、交換時期を大幅に遅らせたりすると、歯に大きな負荷がかかり、痛みが増す原因となります。
柔らかい食事を中心にする
痛みが強い装着初期の2〜3日間は、硬い食べ物を避け、柔らかい食事を中心にすることをおすすめします。おかゆ、うどん、豆腐、ヨーグルト、スープなど、噛む力をあまり必要としない食品を選ぶことで、痛みを軽減できます。
また、痛みが強い部位を避けて、症状が現れていない部位で噛むように意識することも効果的です。食事の工夫だけでも、かなり快適に過ごせるようになります。

市販の痛み止めを適切に使用する
日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、市販の痛み止め(鎮痛剤)を服用することも一つの方法です。ただし、痛み止めを習慣的に服用することはおすすめできません。
痛みが強くて眠れない、仕事や勉強に集中できないといった状況に陥った場合に限り、一時的に服用することを検討してください。痛み止めの常用が必要なほどの痛みが続く場合は、早めに歯科医院に相談することが重要です。
マウスピースの調整を依頼する
マウスピースの縁が歯茎や頬の粘膜に当たって痛みが生じている場合は、我慢せずに担当医に相談してください。マウスピースの縁を少し削るなどの調整を行うことで、簡単に痛みを解消できます。
また、アタッチメントの出っ張りが唇の裏側に触れて違和感がある場合も、2〜3日程度で慣れることが多いですが、痛みが続く場合は調整が必要です。
一時的な取り外しで圧力を緩和
痛みがひどい時には、数分だけマウスピースを外し、再装着すると痛みが軽減されることがあります。ただし、この場合も1日20時間以上の装着時間は必ず守るようにしてください。
装着時間が不足すると、治療計画に遅れが生じるだけでなく、次回の交換時により強い痛みを感じる可能性があります。
矯正用ワックスの活用
マウスピースやアタッチメントが粘膜に当たって痛む場合は、矯正用ワックスを処方してもらうことができます。このワックスを痛む部分に貼ることで、直接的な刺激を和らげることができます。
矯正用ワックスは歯科医院で処方してもらえますので、痛みが気になる場合は相談してみてください。
冷やす・温めるなどの温度調整
痛みが強い場合は、頬の外側から冷やすことで炎症を抑え、痛みを軽減できることがあります。ただし、長時間の冷却は避け、適度な時間で行うようにしてください。
また、温めることで血行が促進され、痛みが和らぐこともあります。自分に合った方法を見つけることが大切です。
ワイヤー矯正との痛みの違い〜マウスピース矯正の優位性
マウスピース矯正を検討される際、ワイヤー矯正との痛みの違いは重要な判断材料となります。ここでは、両者の痛みの特徴を比較し、マウスピース矯正の優位性について解説します。
痛みの強さは約3分の1程度
マウスピース矯正の痛みは、ワイヤー矯正の約3分の1程度といわれています。これは、マウスピース矯正が1週間程度かけて歯を最大0.25mm程度動かすのに対し、ワイヤー矯正は月1回の調整で比較的大きな力をかけるためです。
ゆっくりと少しずつ歯を動かすことで、歯周組織を急激に傷つけることが少なく、痛みや炎症を最小限に抑えることができます。
口内炎や傷のリスクが低い
ワイヤー矯正では、装置が口内の粘膜に当たって口内炎を起こすことがあります。一方、マウスピース矯正では、マウスピースの縁が技工の段階できれいに角が丸くなるように研磨されるため、縁が歯茎に当たって痛いということは滅多に起こりません。
また、アタッチメントも普段はマウスピースで覆われるため、角が当たって痛いということはほとんどありません。口腔内を傷つけるリスクが低いことも、マウスピース矯正の大きなメリットです。
痛みの持続期間が短い
ワイヤー矯正では調整直後に強い痛みが出やすく、その痛みが数日から1週間程度続くことがあります。一方、マウスピース矯正では、新しいマウスピースに交換した直後の1〜2日間は痛みを感じやすいものの、3〜4日目には徐々に慣れ、違和感が減少していきます。
痛みの持続期間が短いことも、マウスピース矯正が選ばれる理由の一つです。
患者さまの声から見る実際の痛み
当院で治療を受けた患者さまからは、「最初は違和感があったが、1週間程度で慣れた」「装着時に痛みが出た場合は加速装置を使用することで、痛みを軽減できた」「痛みはあるが、ワイヤー矯正ほどではなかった」「取り外せるのが安心」といった声をいただいています。
多くの方が、マウスピース矯正の痛みは許容範囲内であると感じており、快適に治療を継続されています。
痛みが長引く場合に考えられる原因と対応
通常、マウスピース矯正の痛みは1週間程度で落ち着きますが、長期間続く場合は何らかのトラブルが生じている可能性があります。ここでは、痛みが長引く原因と適切な対応について解説します。
マウスピースのフィット不良
マウスピースが浮いていてしっかりはまらない、装着時に強い違和感があり1週間以上続く、話しにくさや発音の違和感がずっと変わらないといった場合は、マウスピースが適切にフィットしていない可能性があります。
このような症状がある場合は、早めに歯科医院に相談し、マウスピースの調整や作り直しを検討する必要があります。
虫歯や歯周病の可能性
矯正治療中は歯周組織が敏感になっているため、虫歯や歯周病があると痛みを感じやすくなります。マウスピースを装着していない時にも痛みがある、特定の歯だけが強く痛む、歯茎が腫れているといった症状がある場合は、虫歯や歯周病の可能性があります。
当院は一般歯科・口腔外科を併設した総合歯科医院ですので、矯正中のトラブルにもすべて院内で対応できます。他院への紹介が不要なため、治療がスムーズで安心です。
装着時間の不足による影響
マウスピースの装着時間が不足していると、歯の動きが計画通りに進まず、次のマウスピースに交換した際に強い痛みを感じる可能性があります。1日20時間以上の装着時間を守ることが、痛みを最小限に抑えるためにも重要です。
早めの相談が重要
あまりにも痛みが長引く場合や、眠れないほどの痛み、鎮痛剤を常用するような痛みが続く場合は、何らかのトラブルが生じている可能性があります。自己判断でマウスピース矯正を勝手にやめないようにし、早めに歯科医院に相談するようにしましょう。
矯正治療中は、段階によって意図的に歯並びや噛み合わせが悪い状態になっていることがあります。勝手にやめてしまうと悪い歯並びや噛み合わせのままになってしまい、お口の中のトラブルを引き起こす可能性があります。

船堀ガーデン歯科のマウスピース矯正〜痛みに配慮した治療
船堀ガーデン歯科・矯正歯科では、患者さま一人ひとりの症例や生活スタイルに合わせて、できるだけ負担の少ない矯正治療をご提案しています。
透明で目立たず、快適な装着感
当院が導入しているマウスピース矯正「インビザライン」は、透明で厚さ0.5mmのマウスピース型矯正装置を用いる治療法です。装着していてもほとんど目立たず、取り外しが自由にできるため、従来のワイヤー矯正に比べて快適で衛生的な治療が可能です。
薄くフィットするマウスピースは違和感が少なく、食事や歯みがきの際に取り外しができるため、清潔な口腔環境を保ちながら治療を続けられます。
通院負担の少ないスケジュール設計
通院は2か月に1回と負担が少なく、忙しい方にも続けやすいスケジュール設計です。一般的な矯正は月1回の通院が必要ですが、インビザラインでは2か月に1回の来院でOKです。
お仕事や学校、子育てで忙しい方でも続けやすいのが大きなメリットです。
総合歯科だからできる安心のサポート
当院は矯正専門クリニックではなく、一般歯科・口腔外科を併設した総合歯科医院です。矯正前の虫歯・歯周病の治療、矯正中のトラブル対応、抜歯などもすべて院内で完結できます。
矯正中に虫歯や歯ぐきの腫れが見つかっても、同じ院内で一般歯科医がすぐ対応します。他院への紹介が不要なため、治療がスムーズで安心です。
お子さまから成人まで幅広く対応
お子さまのマウスピース矯正「インビザライン・ファースト」にも対応しています。6〜10歳ごろの顎の成長期に行うことで、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保でき、将来の本格的な矯正を軽く済ませることが可能です。
取り外しができるため、食事や歯みがきも今まで通りです。保護者の方と相談しながら、成長に合わせた矯正プランをご提案しています。
まとめ〜痛みと上手に付き合いながら理想の歯並びへ
マウスピース矯正における痛みは、歯が計画通りに動いている証拠であり、治療の過程で避けられないものです。しかし、その痛みはワイヤー矯正の約3分の1程度であり、多くの方が日常生活に支障をきたすことなく治療を継続できています。
痛みのピークは装着直後から24時間以内で、その後は徐々に軽減し、1週間程度で落ち着くのが一般的です。柔らかい食事を中心にする、装着時間を守る、必要に応じて痛み止めを使用するなどの対処法を実践することで、快適に治療を進めることができます。
痛みが長引く場合や、我慢できないほどの痛みがある場合は、早めに歯科医院に相談することが重要です。自己判断で治療を中断せず、担当医と相談しながら適切に対処しましょう。
船堀ガーデン歯科・矯正歯科では、透明で目立たないマウスピース矯正「インビザライン」を導入し、患者さま一人ひとりに合わせた負担の少ない矯正治療をご提案しています。矯正歯科医が常駐し、一般歯科も併設しているため、矯正中のあらゆるトラブルに院内で対応できます。
「歯並びが気になるけれど、痛みが不安」「忙しくて通院の時間が取れない」という方は、ぜひ当院の無料カウンセリングをご利用ください。丁寧なカウンセリングを通して、あなたに最適なプランをご提案いたします。
東京都江戸川区・船堀駅から徒歩すぐの場所にある船堀ガーデン歯科・矯正歯科で、目立たず快適に、理想の歯並びを手に入れましょう。
著者情報
院長 三宅雄一郎

略歴
東京医科歯科大学歯学部歯学科卒
ワタナベ歯科医院勤務
-研修・経歴-
立川相互病院(初期研修)→東京女子医科大学八千代医療センター(総合救急診療科 → 内視鏡科)
その後、千葉県がんセンターなどで非常勤として消化器内視鏡診療に従事
資格・所属学会
日本顕微鏡学会
日本歯周病学会
東京SJCD レギューラーコース修了
インプラントベーシックコース – ノーベルバイオケア
インプラントベーシックコース – ストローマン
インプラントベーシックコース – アストラテック
この記事を監修した人

船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】









