ホワイトニングはよくない?歯に与える影響と注意したいポイント

「ホワイトニングはよくない」と聞いて不安になっていませんか。歯を白くすることを諦めようと考えている方もいるでしょう。結論から言うと、歯科医師が管理するホワイトニングは、安全性の高い施術です。基本的には、歯に大きなダメージを与えずに施術できます。
ここでは「ホワイトニングはよくない」といわれる理由を解説するとともに、ホワイトニングを受ける際に注意したいポイントやホワイトニングを避けるほうがよい方などを紹介しています。施術前の不安を解消したい方は参考にしてください。
目次
ホワイトニングがよくないって本当?
「ホワイトニングを受けると歯がボロボロになる」などと考える方が少なくありません。使用する薬剤の影響を心配しているためと考えられます。正しい方法でホワイトニングを行えば、歯に大きな影響を与えることはありません。日本歯科医師会が運営するウェブサイトでも次のように説明されています。
低濃度の漂白剤を用いるホームブリーチでは歯がダメージを受けるという心配はありません。
また、高濃度の過酸化水素(漂白剤)を使用するオフィスブリーチについても、以下の説明がなされています。
高濃度の過酸化水素を120時間接触させた時に歯から溶け出すミネラルの量は、ソフトドリンクやフルーツジュースに2分ないし2分半接触させた時と同じ程度と研究報告されています。
正しい方法で行えば、ホワイトニングで歯が大きなダメージを受けることは基本的にないでしょう。
ホワイトニングで使用する薬剤
ホワイトニングでは、漂白剤を用いて歯を白くします。漂白剤の主な成分は、過酸化水素(または過酸化尿素。分解して過酸化水素が発生)です。この成分が高濃度の状態で皮膚に付着すると、発赤や痛みを引き起こすことがあります。そのため、ホワイトニングに対してよくない印象を持つ方もいるでしょう。過酸化水素は、身近な消毒薬などにも用いられている成分です。使い方を誤らなければ、安全に使用できます。
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ホワイトニングがよくないといわれる理由
続いて、ホワイトニングがよくないといわれる主な理由を紹介します。
薬剤が歯にしみることがあるから
ホワイトニングを受けると、歯がしみることがあります。歯を保護している膜が、一時的に剥がれるためです。辛い症状が現れるため、歯によくないと捉えられることがあります。ただし、取り除かれた膜は12時間~24時間程度で回復します。したがって、歯がしみる症状も、通常は時間の経過とともに治まります。
歯茎に刺激を与えることがあるから
ホワイトニングで使用する薬剤が、歯茎に付着すると炎症を起こすことがあります。薬剤の刺激が強いためです。オフィスホワイトニング(歯科医院で行う)では、歯茎を保護してから薬剤を塗布するため、この問題は原則として起こりません。一方で、ホームホワイトニング(自宅で行う)では、注入しすぎた薬剤がマウスピースから溢れて歯茎に付着することがあります。薬剤が付着した場合は、すぐに拭き取ることが大切です。
歯の白さをキープできないから
比較的早い段階で、歯の色が元に戻ることがあります。後戻りを経験した方の中には、ホワイトニングをよくないと感じる人もいます。後戻りの主な原因は、適切なケアを怠ったことです。具体的には、施術後すぐに着色しやすいものを食べた、タバコを吸っていたなどが考えられます。歯科医師の指示に従い適切なケアを行うことで、このようなトラブルの多くは防げます。
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ホワイトニングが悪影響を与えるケース
ホワイトニングは、安全性の高い施術です。ただし、すべての方が安心して利用できるわけではありません。以下の方は、歯科医師に相談してから施術を受けましょう。
虫歯や歯周病がある場合
虫歯を治さずに施術を受けると、薬剤の影響で歯がしみたり、傷んだりすることがあります。歯周病の場合も、同様に注意が必要です。施術中に出血し、期待通りの効果が得られない可能性があります。これらの恐れがあるため、原則として虫歯や歯周病の治療を優先します。
知覚過敏の場合
知覚過敏が生じている方は、ホワイトニングの薬剤が刺激になって歯がしみたり、傷んだりする恐れがあります。知覚過敏は、歯ブラシの毛先や冷たい飲み物などが触れたときに生じる一時的な痛みです(虫歯などではない場合)。不快な痛みに悩まされる恐れがあるため、基本的には、ホワイトニングよりも知覚過敏の治療を優先すべきです。
日光アレルギーがある場合
日光アレルギーは、日光を浴びると皮膚に発疹や赤みなどの症状が現れる病気です。日光アレルギーがある方は、オフィスホワイトニングを受けられません。施術で照射する光に反応する恐れがあるためです。光を照射しないホームホワイトニングであれば受けられます。
無カタラーゼ症の場合
無カタラーゼ症は、カタラーゼという酵素が欠如する体質です。カタラーゼには、過酸化水素を分解する働きがあります。無カタラーゼ症の方は、ホワイトニングの薬剤に含まれる過酸化水素を分解できません。漂白剤に含まれる成分で、進行性口腔壊死などの病気を招く恐れがあります。無カタラーゼ症の方も、ホワイトニングを受けられません。
妊娠中・授乳中の場合
妊娠中や授乳中の方も、ホワイトニングを控えるほうがよいと考えられています。ホワイトニングが母体に悪影響を及ぼすという報告はないものの、その安全性を完全に保証できないためです。これらの方は、授乳を終えてから、ホワイトニングを検討しましょう。
関連記事:ホワイトニングができない人の9つの特徴と施術を受けるための解決法
ホワイトニングを受けるとどんな良いことがあるのか
ホワイトニングは、審美性の向上を目指す施術です。歯が白くなることで、周囲に与える印象がよくなり、自信を持ちやすくなる可能性があります。ブランディングテクノロジー株式会社が実施した調査で、40.5%の方が他人の歯の色が「多少気になる」と回答しています。49.5%の方が「歯が白くて素敵だなと思ったことがある」と回答している点もポイントです。プラスの影響を期待できる施術といえるでしょう。
出典:PRTIMES「歯の色で第一印象が変わる? 実はみんなが気にしている歯の黄ばみ」
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安心してホワイトニングを受けるためにできること
次に、ホワイトニングを受ける際に意識したいポイントを紹介します。
クリニックのホワイトニングを受ける
セルフホワイトニングでは、過酸化水素を含む薬剤は使用できません。歯そのものを白くすることはできないため注意が必要です。また、海外のホワイトニング用品の中には、歯にダメージを与える恐れがあるものもあります。効果と安全性を高めるため、歯科医院でホワイトニングを受けることが大切です。
事前に疑問を解消しておく
多くの歯科医院は、ホワイトニングの前にカウンセリングを実施しています。主な目的は、治療の流れを説明することとお口の状態を確認することです。また、患者様の不安を解消することも目的のひとつといえます。わからない点や不安を感じる点がある方は、遠慮せず質問しましょう。
使用する薬剤の量や種類を確認する
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師などが施術するホワイトニングです。使用する薬剤の量などを気にする必要は基本的にありません。ホームホワイトニングは、歯科医師の指導を受けて自宅で行うホワイトニングです。したがって、使用する薬剤の量、マウスピースを装着する時間などを確かめておく必要があります。
注意事項をきちんと把握しておく
ホワイトニングの注意事項も確認しておきたいポイントです。歯科医師の指示を守らないと、期待する効果を得られなかったり、後戻りしやすくなったりすることがあります。トラブルを避けるため、施術前、施術後の注意事項を確認しておきましょう。
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ホワイトニングで白い歯を目指しませんか?
ここでは「ホワイトニングはよくない」といわれる理由を解説しました。基本的には、過酸化水素を使用するためよくないといわれていると考えられます。歯や歯茎に刺激を与えることはありますが、歯科医師管理の下であれば原則として安全に施術を行えます。
船堀ガーデン歯科・矯正歯科のホワイトニングでは、患者様の口腔環境を第一に考えたホワイトニングを行っています。特徴や費用が異なる4種類のホワイトニング(1つはジェットクリーニング)を提案している点もポイントです。私たちと一緒に、白い歯を目指してみませんか?
この記事を監修した人

船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】