矯正歯科を転院した場合の費用はどうなる?治療費の清算は?
歯列矯正中にやむを得ない事情で、通院し続けるのが困難な方もいるでしょう。その際、転院した場合の費用はどうなるのか、治療費の精算について疑問を抱く方もいると思います。
そこで本記事では矯正中に転院した場合の費用について解説します。現在、矯正中で転院が予想される方はぜひ参考にしてください。
目次
歯列矯正中に転院することは可能
まず、矯正歯科に転院すること自体は可能です。問題がない限りは治療を始めた医院で最後まで治療をするのが望ましいですが、途中から歯科医院の変更はできます。ただし、歯科医院によって治療プランが大きく異なります。そのため、転院先によっては1から治療を始めるケースも0ではありません。そのようなデメリットやリスクを把握したうえで、転院を考えましょう。
歯列矯正中に転院する理由
本来は、治療を始めた場所で矯正治療を終えるのが望ましいですが、以下の理由から転院することがあります。
- ・転勤、転校などによる引っ越し
- ・留学
- ・生活スタイルの変化
- ・医師への不信感
ここでは、それぞれの理由を紹介します。
転勤、転校などによる引っ越し
よくあるケースが転勤・転校などによる引っ越しです。そもそも、歯列矯正は2年から4年程と、長期に渡る治療です。さらに歯は一生後戻りのリスクがあることから、矯正歯科とはとても長い付き合いになります。治療が終了すれば、数ヶ月から半年に一塊と通院頻度も落ち着いていきますが、矯正途中は月に一回は来院する必要があります。そうなると患者側の負担が大きくなるため、転院を考える方がいます。
留学
先ほども述べたように、歯列矯正の治療期間は長期にわたるものです。その最中に留学をしなければならず、通うのが困難になる方もいます。海外といっても、クリニックによっては技術が高いところもあります。ただし、日本人の歯の矯正は難しいと言われており、必ず成功するわけではありません。そのようなリスクを踏まえたうえで、留学先で治療をするか決める必要があります。
生活スタイルの変化
進学や就職、結婚などによって生活スタイルが変化し、治療を続けるのが困難になるケースです。このような場合は、転院したほうが治療が進みやすくなる可能性があります。まずは医師に相談してみましょう。
医師への不信感
最後が医師への不信感です。残念ながら、歯科医院によっては矯正の調整が流れ作業になっており、患者側が気になることが聞けないといったケースがあります。歯科医の腕が優れていたとしても、今後の治療プランの共有ができなかったり、こちらの疑問に答えてくれなかったりすれば不信感は募るばかりです。不信感は矯正の失敗のもととなるため、信頼できる医師に治療を依頼しましょう。
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保定期間中に矯正歯科を転院できる?
保定期間中に矯正歯科の転院は可能です。そもそも保定期間中は矯正期間とは異なり、高い頻度で通院する必要はありません。そのため、転院も比較的スムーズにいきます。歯は一生、後戻りのリスクがあります。したがって、通院が難しくなったとしても、転院して後戻りを防ぎましょう。
矯正歯科を途中で変える前に確認すること
歯科矯正を途中で変える前に以下のことを確認するようにしてください。
- ・契約書の内容
- ・支払い方法
それぞれの項目を解説します。
契約書の内容
契約書には、中途解約した場合の記載があります。返金についての内容や契約違反等について記載されていますので、解約の際はしっかりと確認するようにしてください。医院によりますが、既に前払いをしている場合、差額を返金してもらえることがあります。ただし、一切返還しないところもありますので、契約書をしっかりと確認してください。
支払い方法
歯科医院によって、支払い方法が異なります。一括のみの対応となっているところもあれば、院内ローンが利用できるところもあります。転院は数十万円の出費となる可能性が高いため、無理なく支払える方法を採用しているか確認してください。
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矯正歯科を途中で変える前にやるべきこと
矯正歯科を途中で変える前に、以下のことを行っておきましょう。
- ・担当歯科医になるべく早く報告する
- ・推薦の転院先があれば担当医から紹介してもらう
- ・転院に必要なものを準備する
これらを行わないとトラブルになる恐れがあり、治療が正しく進まなくなってしまいます。
それぞれの項目を詳しく解説します。
担当歯科医になるべく早く報告する
担当医師になるべく早く相談するようにしてください。相談すれば推薦の店員先を紹介してもらえたり、今後の流れや、転院の注意点などをしっかりと紹介してくれます。
医師としても、引き継ぎ資料の作成があるため、すぐに伝えるようにしてください。
推薦の転院先があれば担当医から紹介してもらう
相談すれば、担当医が推薦の転院先を教えてくれます。歯科矯正を行っているクリニックといっても、場所によって技術はさまざまです。したがって、紹介してもらうことをおすすめします。
また、紹介してもらうほうが自分で探すよりも効率が良いうえ、安心して治療を受けられます。
転院に必要なものを準備する
転院に必要なものである、以下のものを準備しましょう。
- ・治療当初の資料
- ・治療当初の診断内容
- ・契約内容
- ・実際の治療内容
- ・支払った治療費
他に指定のものがあれば、そちらも用意するようにしてください。転院先へもれなく情報を伝えるのが、重要なポイントです。
費用はどうなる?
転院するにあたって気になるのが費用ではないでしょうか。結論から述べると、費用は60%から70%戻ってくる場合もありますが、全額返金は困難です。ここではそれぞれの項目に分けて詳しく解説します。
60~70%戻ってくる場合もある
返金割合は歯科医院で異なりますが、日本臨床矯正歯科医院では以下の規定が設けられています。ただし、これは永久歯列期のマルチブラケット装置で、すでに全額支払った患者に限られます。
治療のステップ | 返金額判断の目安 |
全歯の整列 | 60~70% |
犬歯の移動 | 40~60%程度 |
前歯の空隙閉鎖 | 30~40%程度 |
仕上げ | 20~30%程度 |
保定 | 0〜5%程度 |
出典元:日本臨床矯正歯科医会
全額返金は困難
矯正治療を途中で辞めた場合、全額返金は困難です。基本的に歯科医院側に責任がない場合、すでに治療した費用は支払う必要があるためです。ただし、歯科医院側に原因がある場合は、全額返金される可能性もあります。ただし、このような場合は専門家への依頼が必要となるため、早めに相談してください。
転院は自身の状況に応じて慎重に
本記事では、矯正で転院した場合の費用について紹介しました。転院する理由はさまざまですが、いずれも転院は可能です。
ただし、本来、治療開始したところで終えるのが望ましいです。転院となると、さらに費用がかかるうえ、方向性も大きく変わる可能性があります。それらのリスクを踏まえたうえで、転院を検討してください。
船堀の矯正歯科・船堀ガーデン歯科 矯正歯科では歯列矯正において、さまざまな症例に対応しています。
保険適用となる場合も、ならない場合も、カウンセリングやコンサルティングで適切な治療をご提案します。
歯列矯正治療をお考えなら、ぜひカウンセリングへとお越しください。
この記事を監修した人
船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】