ホワイトニングは痛い?痛みを感じる原因と和らげるための対処法

ホワイトニングを検討している方に向けて、施術時・施術後の痛みについて解説いたします。
「ホワイトニングをしてみたいけれど痛いのか気になる」「施術後に強い痛みがある」とおっしゃる方は多いです。実際に、施術中や施術後に痛みを訴える方は少なくありません。
そこで今回の記事では、ホワイトニングで痛みを感じる原因と対処法について解説します。痛みを和らげるための方法もご紹介しますので、痛みがネックで施術を迷っている方にとって参考になるはずです。
目次
ホワイトニングは本当に痛い?
ホワイトニングを痛いと感じる方もいますが、痛みが現れるかどうかには個人差があります。ただし「痛み」を感じなくても、「違和感」がある方が多く見られることは事実です。
痛みを感じる場合は、「施術中」「施術後すぐ」「施術から数時間経ってから」の3つのパターンであることがほとんど。基本的に施術が終わってから24時間以内に痛みが現れるでしょう。
ホワイトニングで必ず痛みを感じるわけではありません。しかし痛みを感じる可能性は高いと考えてください。
ホワイトニングで感じる痛みはどのようなものか
ホワイトニングで感じる痛みには次のような種類があります。
【痛みの種類】
・歯にしみるようなジンジンとした痛み
・ズキズキとうずくような痛み
・ピリピリとする細かな痛み
・ズキンとした強い痛み
・頭を突き抜けるような鋭い痛み
・眠れないほどの激しい痛み
感じる痛みの種類は、口腔内の状態や薬剤の種類・量によって異なります。一概には言えませんが、以上のような痛みを感じる方が多い傾向です。
ホワイトニングで痛みを感じる理由
では、なぜホワイトニングで痛みを感じることがあるのか、その理由を見ていきましょう。
理由1:虫歯があるから
まず虫歯がある場合は、ホワイトニングで痛みを感じやすくなります。
虫歯とは歯の表面にあるエナメル層が溶かされる口腔疾患です。エナメル層に穴があくと、内部の象牙質が露出し、痛みを感じやすくなります。
虫歯がある状態でホワイトニングをすると、薬剤がしみて知覚過敏のような痛みを感じるかもしれません。
理由2:知覚過敏だから
虫歯ではなく、実際に知覚過敏で痛みを感じる方も少なくありません。知覚過敏の原因も象牙質が露出することであり、虫歯によって痛みを感じるケースと仕組みは同じです。
そのため、ホワイトニングの薬剤が象牙質まで届き、しみるような痛みを感じることが多いでしょう。
理由3:歯が欠損しているから
歯が欠損している場合も、ホワイトニング中に痛みを感じやすくなります。たとえば歯が割れていたり、先が欠けていたりなどが該当します。
割れたり欠けたりしている部分から薬剤が染み込むと、やはり象牙質まで届いてしまうため痛みを感じます。歯ぎしりや食いしばりのクセがある方は、ホワイトニング前に医師に確認してもらってください。
理由4:歯周病が起きているから
ホワイトニングで痛いと感じる方の中には、歯周病の方も多く見られます。歯周病が進行すると、歯の根元部分で象牙質が露出してしまうためです。歯周病が進行すると、露出した象牙質に薬剤がしみて痛みを引き起こします。
理由5:薬剤の濃度が合っていないから
痛みを感じる理由のひとつとして、薬剤の濃度が合っていないことも考えられます。一般的にホワイトニングの薬剤は、濃度が濃くなるほど痛みを感じやすくなるとされるためです。
クリニックでのホワイトニングでは、濃度の高い薬剤を使用する傾向があります。濃度が高いと効果は現れやすくなりますが、その分、痛みも強くなりやすくなります。
理由6:薬剤が歯茎についているから
薬剤が歯茎に付着して、炎症を起こして痛みが引き起こされる可能性もあります。口腔内全体に痛みを感じる場合、ホワイトニングの薬剤が歯茎に付着している可能性があります。
薬剤が歯茎に付着している場合は、すぐに拭き取りましょう。また、ホームホワイトニングではマウスピースを使用するため、薬剤が漏れやすく、歯茎に付着すると痛みの原因になります。
口の中全体が痛いと感じたら、薬剤が歯茎についていないか確認してください。
ホワイトニングで痛みが出たときの対処法
もしホワイトニング後に痛いと感じた場合、どのように対処すべきでしょうか?施術中の痛みと施術後の痛み、それぞれの対処法を分けて解説します。
施術中に痛みを感じる場合
まずはホワイトニングの施術中に痛みを感じた場合の対処法について見ていきましょう。
対処法1:ホワイトニングを中断する
ホ―ムホワイトニングの場合は、ホワイトニングを中断するのが最もシンプルな方法です。
クリニックを受診して虫歯や歯周病、歯の欠損を治したり、知覚過敏のケアを行ったりしてください。また薬剤の問題でしみているようであれば、ほかの薬剤を試してみるのも良いでしょう。
対処法2:薬剤を洗い流す
施術中に痛みを感じたなら、すぐに薬剤を洗い流すようにしましょう。薬剤を口腔内から洗い流すと、痛みが治まることが多いはずです。
うがいをしたり歯磨きをしたりして、薬剤が残っていない状態にしてください。
施術後に歯が痛む場合
続いては施術後に歯が痛む場合の対処法についてご紹介します。
もし施術後に痛んだとしても、24~48時間以内に消えることがほとんどです。しかしその間でも耐えられないほどの痛みを感じるかもしれません。次の5つの対処法で、痛みを軽減していきましょう。
対処法1:痛み止めを服用する
痛みが強いなら、痛み止めを服用することをおすすめします。クリニックから処方されたものがあれば良いですが、ドラッグストアなどで販売されているものでも構いません。一時的に痛みを抑えられるでしょう。
ただし痛み止めの効果は、あくまでも一時的なものです。
痛み止めの効果が失われた頃に、再び痛みを感じる場合は、後述のようにクリニックを受診してください。
対処法2:歯を磨く
歯を磨くことも効果的な対処法のひとつです。口腔内に残っている薬剤をきれいに洗い流せるでしょう。
使用する歯磨き粉は、知覚過敏用やフッ素配合のものがおすすめです。ホワイトニング後にしみるような痛みを感じた際、すぐに効果が出るとは限りません。しかし継続的に使用していけば、ホワイトニングでの痛みを感じにくくなるはずです。
対処法3:刺激物を避ける
口腔内に痛みを感じるなら、刺激物は避けてください。香辛料はもちろん、熱すぎるもの、冷たすぎるものを口の中に入れないようにすると痛みが治まりやすくなります。また痛みがなかったとしても、刺激物は避けたほうが無難です。刺激物をきっかけとして痛みが引き起こされることもあります。
痛みがあるときに刺激物を口に入れると、さらに痛みが悪化する可能性があります。痛みが治まるまでは、口腔内に優しい食べ物を選ぶようにしましょう。
対処法4:ガムを噛む
リカルデントガムを噛むと、しみるような痛みが軽減されることがあります。痛みが軽減される理由は、「CPP-ACP」と呼ばれる成分がガムの中に配合されているためです[1]。
CPP-ACPは牛乳から作られており、唾液に似た成分を含んでいます[1]。そしてエナメル質を維持し、歯の再石灰化を促す効果がある物質です[1]。
ホワイトニング後に痛みを感じる場合は、リカルデントガムを噛むことも対処法のひとつです。
対処法5:クリニックを受診する
最も確実性の高い対処方法は、クリニックを受診することです。ホワイトニングをして数日経っても痛みがなくならなかったり、痛みが強すぎて眠れなかったりするときはクリニックに行きましょう。
クリニックなら、状態に合った適切な処置を受けることができます。なぜ痛みが続いているのか、原因もわかるはずです。
ホワイトニング後に痛いと感じたら、クリニック受診を検討してください。
ホワイトニングで痛みを感じないようにするためにできること
ホワイトニングで痛みを防ぐには、事前の準備が欠かせません。
【できること】
・虫歯や歯周病を治療しておく
・リカルデントガムや知覚過敏用歯磨き粉でケアをする
・濃度の低い薬剤を選ぶ
ホワイトニングで痛いと感じるのは、エナメル質にヒビや穴があるなどして象牙質が露出していることが大きな原因です。虫歯や歯周病を治療し、象牙質が保護されている状態であれば、痛みを感じることも少なくなるでしょう。
またリカルデントガムを噛めばエナメル質を維持したり、歯を修復したりするのに役立ちます。濃度の高い薬剤を選ばないことも大切です。
痛みを抑えるには、口腔内を万全の状態にし、薬剤を慎重に選ぶことが重要です。
ホワイトニングで痛いと感じるなら適切な対処を
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、ホワイトニングで痛みを感じる主な原因は、エナメル質のヒビや穴による象牙質の露出です。
船堀ガーデン歯科・矯正歯科では虫歯や歯周病の治療とともに、ホワイトニングにも対応しております。痛みの少ないホワイトニングを希望されているなら、口腔内の治療も同時に行える船堀ガーデンまでぜひご相談ください。
[1]
参照:JSTAGE:(PDF)CPP-ACP配合ペーストがウシエナメル質の脱灰・再石灰化に及ぼす影響
この記事を監修した人

船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】