マウスピース矯正で八重歯はどこまで治る?抜歯の有無と治療期間を徹底解説
目次

八重歯とは?マウスピース矯正で改善できる理由
八重歯とは、歯列から外側にはみ出して生えている歯のことを指します。
多くの場合、前から3番目に位置する「犬歯」が八重歯になりやすいのですが、これは犬歯が永久歯の中で最後に生えてくるため、十分なスペースが確保できないことが原因です。日本人は顎が小さい傾向にあるため、歯が並びきらずに八重歯になってしまうケースが非常に多く見られます。
八重歯は一見チャームポイントのように思えるかもしれませんが、実は歯並びの問題だけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高める要因にもなります。歯が重なり合っているため歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいのです。また、噛み合わせにも影響を与え、特定の歯に過度な負担がかかることで、将来的に歯を失うリスクも高まります。
では、なぜマウスピース矯正で八重歯を改善できるのでしょうか?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを段階的に交換しながら、少しずつ歯を動かしていく治療法です。八重歯を歯列の中に収めるためには、まず歯が並ぶためのスペースを確保する必要があります。このスペース確保の方法として、「IPR(歯の側面を少し削る処置)」「抜歯」「奥歯の後方移動」などがあり、患者さまの症例や希望に合わせて最適な方法を選択します。
マウスピース矯正で八重歯を治す具体的な方法
IPR(ディスキング)でスペースを確保する方法
IPRとは、歯の側面のエナメル質をごくわずかに削る処置のことです。
削る量は0.2〜0.5mm程度と非常にわずかで、歯の健康に影響を与えることはありません。軽度から中等度の八重歯であれば、IPRだけでスペースを確保し、マウスピース矯正で歯並びを整えることが可能です。
この方法のメリットは、抜歯をせずに治療できる点です。ただし、歯の重なりが大きい重度の八重歯の場合は、IPRだけでは十分なスペースが確保できないこともあります。
抜歯を伴うマウスピース矯正

八重歯の程度が重い場合や、前歯全体を引っ込めたいという希望がある場合は、抜歯を行うことがあります。
多くの場合、八重歯の後ろにある「小臼歯(前から4番目または5番目の歯)」を抜歯します。犬歯(八重歯)自体を抜くことは推奨されません。なぜなら、犬歯は根が長く丈夫で、将来的に長持ちしやすい歯だからです。また、笑ったときの見た目も、犬歯がきれいに並んでいる方が自然で美しい印象を与えます。
抜歯後は、マウスピースとゴム(エラスティック)を併用して、八重歯を正しい位置に移動させていきます。抜歯を伴う場合でも、マウスピース矯正だけで治療を完結できるケースが増えています。
奥歯の後方移動(遠心移動)による非抜歯治療
歯を抜かずに八重歯を治療したい場合、奥歯を奥に移動させてスペースを確保する「遠心移動」という方法があります。
この方法では、マウスピースの力を利用して奥歯を少しずつ後ろに動かし、前歯部分にスペースを作ります。ガタガタが大きい場合でも、適切な治療計画を立てることで、抜歯せずに歯を並べることが可能です。
ただし、奥歯を動かすには時間がかかるため、治療期間が長くなる傾向にあります。また、親知らずが残っている場合は、事前に抜歯が必要になることもあります。
八重歯のマウスピース矯正にかかる期間と費用
治療期間はどのくらい?
八重歯のマウスピース矯正にかかる期間は、症例の程度によって大きく異なります。
軽度の八重歯であれば、約6ヶ月〜1年程度で改善が見込めます。一方、抜歯を伴う中等度から重度の八重歯の場合は、1年半〜2年程度かかることが一般的です。
マウスピース矯正は、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。ワイヤー矯正と比べると歯の動くスピードはゆっくりですが、痛みが少なく、目立たないというメリットがあります。
治療期間を短縮するためには、1日20〜22時間以上のマウスピース装着を守ることが非常に重要です。装着時間が不十分だと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまいます。
費用の目安と内訳
八重歯のマウスピース矯正にかかる費用は、治療範囲や使用するマウスピースの種類によって異なります。
全顎矯正(上下すべての歯を対象とする治療)の場合、一般的に60万円〜100万円程度が相場です。部分矯正(前歯のみを対象とする治療)であれば、30万円〜50万円程度で治療できることもあります。
費用の内訳としては、初回カウンセリング料、精密検査料、マウスピース作製費、通院ごとの調整料、保定装置(リテーナー)の費用などが含まれます。当院では、治療開始前に詳細なお見積りをご提示し、分割払いのご相談にも対応しておりますので、ご安心ください。

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マウスピース矯正で八重歯を治すメリットとデメリット

マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正で八重歯を治療する最大のメリットは、**透明で目立たない**という点です。
厚さわずか0.5mmの透明なマウスピースは、装着していてもほとんど気づかれません。接客業や営業職など、人前に立つ機会が多い方でも、安心して矯正治療を続けられます。
また、**取り外しが自由にできる**ため、食事や歯みがきは普段通りに行えます。ワイヤー矯正のように食べ物が詰まる心配もなく、口腔内を清潔に保ちやすいのも大きな利点です。
さらに、**痛みや違和感が少ない**点も見逃せません。ワイヤー矯正では金属の装置が頬や唇に当たって口内炎ができることがありますが、マウスピース矯正ではそのような心配はほとんどありません。
通院頻度も2ヶ月に1回程度と少なく、忙しい方でも続けやすいスケジュール設計になっています。
マウスピース矯正のデメリットと注意点
一方で、マウスピース矯正にはいくつかの注意点もあります。
最も重要なのは、**1日20時間以上の装着が必須**という点です。装着時間を守らないと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、効果が得られなかったりします。特に八重歯部分はマウスピースが浮きやすいため、しっかりと装着することが大切です。
また、**マウスピースを装着したまま飲食できない**という制限もあります。水以外の飲み物(お茶、コーヒー、ジュースなど)を飲む際は、マウスピースを外す必要があります。装着したまま飲食すると、着色や虫歯のリスクが高まります。
さらに、**重度の八重歯や骨格的な問題がある場合は適応できない**こともあります。事前の精密検査で、マウスピース矯正が適応可能かどうかを判断する必要があります。
八重歯を放置するリスクと早期治療の重要性
八重歯をそのままにしておくと、さまざまなリスクが生じます。
まず、**虫歯や歯周病になりやすい**という問題があります。歯が重なり合っているため、歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすくなります。また、デンタルフロスも通しにくいため、歯と歯の間の清掃が不十分になりがちです。
次に、**噛み合わせの問題**です。八重歯は他の歯と噛み合っていないことが多く、その分、他の歯に過度な負担がかかります。これにより、特定の歯が早く傷んでしまい、将来的に歯を失うリスクが高まります。
さらに、**頬や唇を傷つける**こともあります。八重歯が歯列から飛び出しているため、食事中に頬の内側や唇を噛んでしまい、口内炎ができやすくなります。
海外では、八重歯は「吸血鬼の歯」として悪い印象を与えることもあります。グローバルな環境で活躍する方にとっては、歯並びが第一印象に影響することもあるでしょう。
これらのリスクを避けるためにも、八重歯は早めに治療することをおすすめします。
船堀ガーデン歯科・矯正歯科のマウスピース矯正

当院では、透明で目立たない「インビザライン」を使用したマウスピース矯正を提供しています。
矯正歯科医が常駐しており、患者さま一人ひとりの症例や生活スタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。八重歯の治療においても、豊富な経験と実績がございますので、安心してお任せください。
当院の強みは、**一般歯科・口腔外科を併設した総合歯科医院**である点です。矯正治療を始める前に虫歯や歯周病がある場合でも、同じ院内で治療が完結します。また、抜歯が必要な場合も、他院に紹介することなく、当院で対応可能です。
さらに、**お子さまの矯正にも対応**しています。6〜10歳のお子さま向けの「インビザライン・ファースト」では、顎の成長期に合わせて歯列を整え、将来の本格的な矯正を軽く済ませることができます。
治療の流れは、まず**初回カウンセリング(無料)**で患者さまのお悩みや希望をお伺いします。その後、3Dスキャナーを使った精密検査を行い、歯並びの動き方をシミュレーションします。治療プランと費用にご納得いただいてから、マウスピースの作製・装着を開始します。
通院は約2ヶ月に1回と負担が少なく、お忙しい方でも続けやすいスケジュールです。治療完了後は、約2年間の保定期間で歯並びを安定させます。
「八重歯が気になるけれど、目立つ矯正装置は避けたい」「痛みや違和感が不安」という方は、ぜひ一度、当院の無料カウンセリングにお越しください。丁寧にご説明し、あなたに最適なプランをご提案いたします。
まとめ:八重歯はマウスピース矯正で改善できます
八重歯は、マウスピース矯正で改善できる症例が多くあります。
軽度から中等度の八重歯であれば、IPRや奥歯の後方移動でスペースを確保し、抜歯せずに治療できることもあります。重度の八重歯や前歯全体を引っ込めたい場合は、小臼歯を抜歯してスペースを作り、マウスピース矯正で歯並びを整えます。
治療期間は症例によって異なりますが、軽度であれば6ヶ月〜1年、重度であれば1年半〜2年程度が目安です。費用は全顎矯正で60万円〜100万円程度、部分矯正で30万円〜50万円程度が相場となります。
マウスピース矯正のメリットは、透明で目立たない、取り外しができる、痛みが少ない、通院回数が少ないという点です。一方で、1日20時間以上の装着が必須であり、装着時間を守らないと効果が得られないという注意点もあります。
八重歯を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まり、噛み合わせにも悪影響を与えます。早めに治療を始めることで、将来的な歯の健康を守ることができます。
船堀ガーデン歯科・矯正歯科では、矯正歯科医が常駐し、一般歯科・口腔外科も併設しているため、矯正治療に関するあらゆるご相談に対応できます。無料カウンセリングも実施しておりますので、八重歯でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
目立たず快適に、理想の歯並びを手に入れましょう。あなたの笑顔がもっと輝く未来を、私たちがサポートいたします。
著者情報
院長 三宅雄一郎

略歴
東京医科歯科大学歯学部歯学科卒
ワタナベ歯科医院勤務
-研修・経歴-
立川相互病院(初期研修)→東京女子医科大学八千代医療センター(総合救急診療科 → 内視鏡科)
その後、千葉県がんセンターなどで非常勤として消化器内視鏡診療に従事
資格・所属学会
日本顕微鏡学会
日本歯周病学会
東京SJCD レギューラーコース修了
インプラントベーシックコース – ノーベルバイオケア
インプラントベーシックコース – ストローマン
インプラントベーシックコース – アストラテック
この記事を監修した人

船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】










