ホワイトニングは何歳からがおすすめ?18歳未満の注意点も解説
歯を白くするホワイトニングは、年齢を問わず関心の高いケアの1つです。しかし、子供の頃から受けても問題ないのか、何歳頃から始めるのが適切なのかと迷う方も多いでしょう。
歯の成長段階やエナメル質の発達を踏まえると、年齢によって注意すべきポイントが異なるため、注意が必要です。とくに18歳未満は、ホワイトニング剤の刺激に対して反応が強く出やすいため、成人と同じ基準で判断するのは適切ではありません。安全性や効果の持続性を考えると、開始時期の慎重な見極めが不可欠です。
この記事では、ホワイトニングに適した年齢、未成年に起こりやすいリスク、受ける際の注意点を整理しました。18歳未満でも取り入れやすい代替ケアも紹介しますので、ホワイトニングを検討する判断材料としてお役立てください。
目次
ホワイトニングは何歳からできる?おすすめの年齢とリスク
ホワイトニングに明確な年齢制限はありません。しかし、歯の発育段階や薬剤への反応性を踏まえると、開始時期には慎重な判断が求められます。ホワイトニングを何歳から始めるべきか判断するポイントを4つまとめました。
- 厳密には年齢制限はない
- 一般的には18歳前後がおすすめ
- 12歳前後までは原則やらないほうがよい
- 永久歯が生え揃ってもリスクがある
自分や子供の治療の参考にしてください。
厳密には年齢制限はない
ホワイトニングは医療法上、特定の年齢を下回ると受けられないという決まりはありません。薬剤の成分も年齢によって使用が禁止されているわけではなく、基本的には歯科医師が口腔内の状態を判断すれば施術そのものは可能です。
ただし、年齢に関係なく歯の成熟度や健康状態によって適応が分かれるため、一律に判断できるものではありません。
とくに未成年のエナメル質の厚みや歯肉の状態は、個人差が大きいため、年齢よりも「現在の口腔環境」が優先されます。制度上は制限がなくても、実際には状態に応じて慎重な評価が必要だと理解しておきましょう。
一般的には18歳前後がおすすめ
18歳前後は歯の発育がおおむね成熟し、薬剤の刺激に対する反応が安定しやすいため、ホワイトニングを始める適齢として推奨されています。
この年齢のエナメル質は厚みも整い、知覚過敏が生じるリスクも比較的低いのも理由の1つです。
生活習慣が落ち着き、セルフケアを継続しやすいことも、治療結果の安定にかかわるでしょう。
12歳前後までは原則やらないほうがよい
12歳前後は永久歯が生え揃う途中で、歯の表面を覆うエナメル質がまだ十分に成熟していない時期です。この段階でホワイトニング剤を使用すると、刺激に対する反応が強く出やすく、知覚過敏が長引く可能性があります。歯の形態も安定していないため、薬剤が均一に作用しにくく、色のばらつきが生じるおそれも否定できません。
12歳前後のホワイトニングは歯の成熟度が不十分な場合があり、慎重な判断が推奨されています。
永久歯が生え揃ってもリスクがある
成長期は歯根の形成中で、薬剤の刺激に対する反応が敏感になりやすい状況が続きます。そのため、年齢による安全性の判断は困難です。
また、歯肉の炎症や虫歯の初期段階が見過ごされている場合、ホワイトニングによって症状が悪化する可能性もあります。ケアが不十分なまま施術すると色むらが出やすく、仕上がりが安定しない点にも留意が必要です。
ホワイトニングを18歳未満で始めるメリット
未成年でも条件を満たしていればホワイトニングを検討できる場合があります。ここでは、18歳未満がホワイトニングする際に得られるおもな利点を整理しました。
- 若いうちから歯を白くできる
- 歯のケアへの意識が高まる
それぞれ見ていきましょう。
若いうちから歯を白くできる
18歳未満でホワイトニングする最大の魅力は、早い時期から口元の印象を整えられ、歯の美しさを意識できる点です。思春期は人前に出る機会が増え、写真撮影や学校行事などで笑顔を見せる場面も多いため、白い歯に自信を持ちやすくなるでしょう。
また、若い年代は生活習慣による着色が比較的軽度であることが多く、薬剤による白さの変化を得やすいのも利点といえます。
歯のケアへの意識が高まる
ホワイトニングを経験すると、自分の歯に対する関心が高まる方が多いでしょう。そのため、白い歯の状態を保ちたい気持ちが強くなり、ブラッシング方法や生活習慣に注意を払いやすくなります。
とくに若い年代では、口腔環境を整える習慣が自然と身につきやすいでしょう。早い時期から歯科医院へ通う機会が増えることで、正しいセルフケアを専門家から学べる点もメリットです。
将来的な虫歯や歯周病の予防にも役立つため、長期的な健康作りの基盤が整いやすいといえます。
ホワイトニングを18歳未満で始めるデメリット
未成年の場合、成人よりも注意すべき点が多く、事前にリスクを理解しておくことが必要です。ここでは、18歳未満でホワイトニングする際に、想定されるデメリットを整理しました。
- ホワイトニング効果が長続きしにくい
- 知覚過敏になりやすい
- 適応できる薬剤の選択肢が限られる
- 色むらが生じやすい
- 施術を受けられる医院が少ない
上記を理解したうえで判断しましょう。
ホワイトニング効果が長続きしにくい
若い年代は食生活や磨き方、生活習慣にばらつきがある方が多い傾向です。食事の傾向や清掃習慣が一定でないと白くしても色戻りしやすく、施術後の変化が安定しません。
成長過程にある歯は、表面の構造が成人ほど緻密ではありません。薬剤の影響が均一に出にくいため、白さの持続期間にも差が生じやすくなります。
こうした背景から、ホワイトニングを繰り返し行う必要が出るケースもあり、効率的とはいえないことがあります。
知覚過敏になりやすい
18歳未満の歯は、発育が続いている時期で、エナメル質や象牙質の構造が成熟途上にあります。そのため、ホワイトニング剤に含まれる薬剤の刺激を強く感じやすく、施術後に知覚過敏が起こりリスクが高くなります。
とくに冷たい飲食物に対して敏感になりやすく、日常生活に不快感が出ることも珍しくありません。知覚過敏が出るとケアの継続が難しくなり、十分な効果を得られない場合もあります。
適応できる薬剤の選択肢が限られる
安全性を優先して使用できるホワイトニング剤の種類が制限されます。市販品や高濃度の薬剤は刺激が強く、未成年への使用を推奨しない歯科も多いため、選べるのは低濃度タイプに限られるケースが一般的です。
その結果、得られる白さの度合いが成人より控えめになることがあり、希望の仕上がりに到達するまで時間がかかる場合もあります。施術方法そのものが選べないこともあり、オフィスホワイトニングでは対応不可と判断されることもあるでしょう。
色むらが生じやすい
歯の表面構造が整っていない段階では、薬剤が反応しやすい部位とそうでない部位が生じ、明るさにばらつきが出やすくなります。
また、ブラッシング不足や着色の残り具合によって、仕上がりが左右されることもあります。白さを均一に整えるためには追加の施術を要することもあり、成人よりも計画が複雑になりがちです。
施術を受けられる医院が少ない
18歳未満のホワイトニングは、安全性への配慮から対応していない歯科医院が多く、施術場所が限られる場合があります。薬剤に対する反応が成人より強く出る可能性があるため、未成年への提供を控える方針の医院も少なくありません。
地域によっては選択肢があまり存在せず、希望しても受けられないケースがあります。医院探しに時間がかかるだけでなく、保護者の同行が必要かつ、スケジュール調整が難しくなる点も負担につながります。
18歳未満がホワイトニングを受ける注意点
未成年でホワイトニングを検討する場合は、成人より慎重な判断が必要です。ここでは、18歳未満がホワイトニングを受ける際に押さえておきたい注意点を整理しました。
- 事前に医師に相談する
- 施術方法を慎重に選ぶ
- 保護者の同意が必要である
- ケアの継続を意識する
保護者の方は参考にしてください。
事前に医師に相談する
未成年がホワイトニングを受ける際は、施術の適応だけでなく、日常生活や既往歴を含めて総合的に判断する必要があります。たとえば、部活動で外傷歴がある場合や、歯ぎしり・食いしばりの癖が強い場合は、施術後に痛みが出やすくなることがあります。
また、使用中の薬剤やアレルギー歴によっては注意を要するケースもあり、自己判断ではリスクを把握しきれません。さらに、矯正治療中かどうか、噛み合わせに問題がないかといった要素も仕上がりに影響します。
施術方法を慎重に選ぶ
選択できるホワイトニング方法には制限があるため、安全性を踏まえて最適な方法を選ぶことが重要です。歯科医院でも未成年への対応方針が異なり、高濃度薬剤を使う施術は対象外となるケースが多いでしょう。そのため、低濃度で負担と刺激が少ない選択肢を中心に検討する必要があります。
以下に施術方法をまとめました。
| 方法 | 未成年への適応 | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| オフィスホワイトニング(歯科医院) | ✕ ほぼ不可 | 高濃度薬剤で短時間の施術 | 即効性がある | 刺激が強く未成年は原則適用外 |
| デュアルホワイトニング | ✕ 実質不可 | オフィス+ホーム併用 | 強い白さと維持力 | 未成年には刺激が強すぎる |
| ホームホワイトニング(歯科管理) | △ 医院判断で可能 | 低濃度薬剤で徐々に白くする | 負担が少なく自然な白さ | 効果まで時間が必要/継続が前提 |
| 市販のホワイトニング歯磨き粉 | ◎ 使用可能 | 着色除去が中心 | 手軽で日常ケアに使いやすい | 歯を白くする効果は弱い |
| 市販ホワイトニングキット | △ 推奨されず | LEDライトやジェルを使用 | 入手しやすい | 濃度・安全性にばらつきが大きい |
| クリーニング(PMTC) | ◎ 問題なく可能 | 歯石・着色を除去 | 自然なツヤが出る | 漂白効果はない |
市販品の中には安全性が明確でないものもあり、自己判断で使用するとトラブルにつながるおそれがあります。不安な場合は、事前に医師に相談しましょう。
保護者の同意が必要である
18歳未満のホワイトニングは医療行為に該当するため、保護者の同意が必ず求められます。ホワイトニングは見た目の改善を目的とした選択的な処置のため、施術内容やリスクを本人だけで正しく判断するのは容易ではありません。保護者が治療方針や使用する薬剤、費用、通院回数などを理解したうえで了承することが前提です。
同意書への署名が必要な場合も多く、当日の付き添いを求められる医院もあるでしょう。家庭でのケア継続が効果に影響することを考えると、保護者が状況を把握しておくことは施術後のサポートにもつながります。
ケアの継続を意識する
歯の白さは日々の飲食や磨き方の影響を受けやすく、ケアが不十分だと色戻りが早く進むため、効果を長く保つことが難しくなります。未成年は生活リズムが不規則になりやすく、ケアする習慣を安定させるのが大人より難しい点も課題です。
さらに、施術方法によっては毎日の薬剤塗布やマウスピース管理を要し、途中で負担に感じることもあります。白さを維持するためには、ブラッシングや定期的なクリーニングなどを継続して行うことが不可欠です。
ホワイトニングの代わりに子供にできること
18歳未満のホワイトニングは適さない場合が多いですが、漂白はできなくても、口元の印象を自然に見せる方法は取り入れられます。ここでは、子供でも安心して受けられる代替手段をまとめました。
- 歯石クリーニング
- 修復治療
それぞれ見ていきましょう。
歯石クリーニング
もっとも子供に負担が少なく効果を実感しやすい方法が、歯石クリーニングです。専用の器具を使って歯石や着色汚れを除去するため、歯を削ったり薬剤を使ったりすることなく、安全性が高い点が特徴です。
日常のブラッシングでは落としきれない茶渋・プラーク・細かな着色が取り除かれるため、歯本来の白さとツヤが戻り、見た目の印象が改善されます。成長期に重要な虫歯や歯肉炎の予防効果も期待できるため、美観と健康の両面で有効なケア方法です。
修復治療
修復治療は、虫歯治療で使用するレジン(樹脂)を用いて欠けた部分を補ったり、変色している部位を自然な色調に合わせて修復したりする方法です。歯を大きく削る必要がなく、負担を抑えながら色味を整えられます。部分的な変色や先天的な白濁など、ホワイトニングでは改善が難しいケースにも対応可能です。
治療後は見た目が自然になり、口元に自信を持てるでしょう。審美性を保ちながら歯を健康的に維持できるため、成長期の代替手段として有効な方法です。
ホワイトニングは18歳を過ぎてからがおすすめ!正しいケアを
18歳未満は、歯の成熟しきっていないため、薬剤への反応が安定しないことが多く、ホワイトニングの効果や安全性に個人差が生じます。低年齢での施術は色むらや知覚過敏のリスクが高く、受けられる方法も限られるため、慎重な判断が欠かせません。
代わりに、クリーニングや修復治療などの負担の少ない選択肢で口元の印象を整える方法が有効です。長期的に見ても、ホワイトニングは18歳以降に適切な環境でするほうがよいでしょう。
船堀ガーデン歯科では、矯正歯科医・一般歯科医・口腔外科医が常駐し、年齢に応じた最適な治療方針を提案しています。ホワイトニングだけでなく、虫歯治療や噛み合わせの診断も一ヶ所で完結できるため、成長期の子供から成人の方まで無理なくケアを進めることが可能です。
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この記事を監修した人

船堀ガーデン歯科 矯正歯科 院長
東京医科歯科大学歯学部歯学科を卒業。ワタナベ歯科医院へ6年間勤務医として数多くの症例に携わり、歯科治療技術を研鑽。2020年5月、「船堀ガーデン歯科 矯正歯科」を開院。
一般歯科だけではなく、矯正歯科治療にも力を入れており、2022年にはインビザライン社から功績を認められ、インビザラインGo ゴールドプロバイダーを受賞。地域に密着し、「見てわかる」をモットーに丁寧でわかりやすい治療を提供している。
【略歴】
- 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
- ワタナベ歯科医院勤務
- ワタナベ歯科医院勤務
【メディア取材記事】







